若女将の加太便り

誕生15周年記念 ひいなの湯リニューアルOPEN!

旅館沼は深い

少し前のことですが、観光庁による外部セミナーの一環でJALの現役客室乗務員さんお二人をお招きして接遇研修を行いました。

約5時間のセミナーは初心に立ち返るとてもいい時間でした。なにより、お二人の美しいたたずまいはそこに存在されているだけで華でしたし、マスクをしていても伝わる表情、言葉選びや心を伝える術、いろいろと勉強になりました。

さて、サービス業において不満に思うことがあってもクレームを直接声に出すお客様の割合って何パーセントだと思いますか?たったの4%なのですよ。残りの96%の人は不満を口に出すことなく帰られ、二度と来ることはない、、、知ってはいたけれどとても恐ろしいことです。だからこそ改めて、勇気を出してご意見をくださるお客様のありがたみを大切にしなければならないと思っていた矢先、お客様から貴重なご指摘をいただきました。ちょうどお帰りの際にお会いでき、直接お礼を申し上げる事が出来て本当に良かった。

社長がよく言うのですが、旅館業は教育であると。本当ですね、旅館業に関わらず全てはヒトで成り立っているのだと思います。ハードはお金次第で変えることができるけど教育は果てがなく本当に難しい。教育の未熟さはクレームで発覚することが多いという事実は、クレームがいかに宝の山かがわかります。今回も社員のことを思っているようでまだまだ心底想いが足りていない自分、己に素直さがないから相手も心開かないのでは?そんな未熟さを反省する機会をいただきました。

ところで、先般のセミナーでも話題に上ったのですが、皆様には心に残った接客サービスはありますか?不意打ちのように受けた心遣いには感動しますよね。

たまにしか外出しない私が感動したことをひとつご紹介しますね。
それは家族全員お世話になっているお医者さんです。主人の幼い頃からの同級生でもあるS先生は、地域医療にとても熱心な本当に優しい方です。
ある日、診療時間を過ぎてお薬をもらいに行くと、S先生が一人で対応してくださいました。私はいつもお財布を札入れと小銭入れと分けているのですが、お薬代3,500円を支払うのに札入れから5,000円札を出しました。すると先生はおつり1,500円を500円玉3枚でくださった。これ、本当に小さい気遣いなのにとてもありがたいことなのがわかりますか?なぜなら1,000円札と500円玉だったらお財布を両方出して開けて入れるという作業をしないといけないから。そのとき両手がふさがっている私をチラッと見て、さりげなく気遣ってくださったのを理解し、うわ!っと感動しました。

感動ってほんの些細なことで充分起こり得るし、人の心を揺さぶるのは人を思う気持ちが生む優しい行動に対してなのだなーと思います。
そういえば当館でもお褒めいただいたことがありました!車椅子で食事処にいらしたお客様に、車椅子のままお食事ができるようにとコンロに敷く板を数枚重ねテーブルの足を伸ばして高さを合わせてくれたスタッフ。彼は介護の経験があるスタッフでした。機転を効かせ手間を惜しまずお客様を喜ばせた彼は素晴らしいと思います。

旅館は学びの宝庫です。終着点が見えない旅館のおもしろみを味わいつつ、これからも頑張りたいと思います。

長々とお読みいただきありがとうございました♪


チャンスしかない

今日は暖かい朝です。

休館日、館内のメンテナンスを行っております。

ロビーラウンジ、お食事処、大浴場の床を綺麗に拭いてワックスを掛けています。暖かい日で良かった!

お昼のまかないは和風スープカレーを作りました♪

頑張ってくれているスタッフたちのために。と言えばかっこいいけど、休館日は冷蔵庫のお掃除日でもあるのです😅

具材たっぷり。インゲン豆、鶏肉、玉ねぎ、人参、カボチャ、さつまいも、里芋、筍、長芋、パプリカ、椎茸、ブロッコリーなどなど、調理場の残り物や冷蔵庫の中でコロコロしてるものを放り込みました。栄養満点💯ですよー♡

サービス業にとってまだまだ厳しい状態は続きますが、ピンチをチャンスに。

未熟者は伸び代いっぱいだと思っています。だってまだ必死になりきれていない。値段を変えプランを作って、様々な手を尽くしていないし、これまでのコミュニティを駆使していないし、お馴染み様に片っ端から電話して「どうか助けてください」って頭を下げてもいないじゃないか?!

そう、なんだってできる。

スタッフたちのチカラを信じ、宿の底力を信じ、未来を信じて日々を過ごしていきたいと思います。

スペックの話

2022年の抱負は。

ひとつは健康であること。あ、毎年言うてますね。

2021年はひどい腰痛から始まり体調が不安定な一年でした。まぁ、極めて自然なことで年齢には抗えませんね。
で、かねがね感づいてはいたがずっと気づかぬふりをしてきた体質改善を。まずは40代後半からじわじわと増え続けていた体重を1年かけてやっと5キロ減らしました。いやこれはがんばりました。褒めてあげましょう。
不思議ですね、カラダが軽くなるとココロも軽くなるんですよ。
鏡を見るのがストレスになっていたのに、好きな洋服が着れるようになりおしゃれを楽しむことができる喜びたるや!女性にとっては人生のクオリティを爆上げすることがらであると再確認。
適度な運動とカロリー管理をしっかりしつつ、もう3キロ減を目標に頑張ろうと思います。えいえいおー。


ふたつめは穏やかに。これも毎年か。

これはもう、ひとえに夫婦間の問題につきます。
今年こそは右へ左へ受け流す、というテクニックを完全習得するようにしたい。いや毎年言っているのにできずにいるって時点でもう無理かもしれないですが。笑
この終ることのない永遠のテーマはときに精神を蝕み(マジで)、テレビなんかで長年連れ添った仲睦まじいご夫婦が登場するだけで、もうダメ。あふれ出るお互いへの優しさや労わりや、夫婦間でしかわからない歴史の厚みみたいなものをビシビシ感じると、尊敬と憧れで涙が止めどなく出てしまう。病んでるときは完全に病んでいる。

ではどうしたら穏やかに過ごせるのか?
そうそう、スペックの話していいですか?
備わっている能力(スペック)がかけ離れた夫婦はいないという話。誰しもいい部分と悪い部分があるだろうけど、だいたい同じスペックの同じタイプの男女が出会って意気投合して夫婦が出来あがる。
よく主人が言う。「俺が高学歴で完璧な人間だったらもっと嫌な人間になっていただろうし、おかあさん(私のこと)とは会えることはなかった」
おとなしく聞きつつ「なぬ?どういうこっちゃ?!」と思う一方でなるほどもっともだとも思う。もし主人が高身長・高学歴・高収入の三高人間だったら絶対、超絶美人でスタイルもよく賢くて品もある優しい女性を選んでいたに違いない。
要するに、誰かに夫の愚痴を言うことは自らの品格をも落としているのとイコールなのです。そう考えると、今の状況を選んできた自分に一生責任を持たねば、と思うのです。

こんだけ理解してても人間っちゅうのは浅はかなのである。
よーし。穏やかに穏やかにだぞ。下手の考え休むに似たりだぞ。そんな暇があれば今年は本を読むことにいたします。

そんなこんなで、今年も頑張ります。

直径80センチのお鍋に仕込んだおでん🍢