若女将の加太便り

誕生15周年記念 ひいなの湯リニューアルOPEN!

お別れ

会社にとっても私にとっても大切な人が天国に旅立たれました。

みっちゃん、、、今まで本当にありがとう。

みっちゃんは旅館とともに歩んだ人生でした。小さな頃から母親に連れられて一緒に働いてくれて、途中結婚や子育てで離脱はありつつも年数にすると50年ほど私どものために力を尽くしてくれました。

遠くから嫁いできた私をいつも励まし、気遣い、手助けしてくれ、ときには褒めてくれ(褒めてくれる人って意外と少ないのよ)みっちゃんがいてくれたこそ頑張って来れたのかもしれない。決して過言ではなく。

今ではごく僅かかもしれませんが、昔から旅館業というのは、人生に疲れた人、働く場所がない人、真っ当に学問を受けられなかった人、旦那さんと早くに生き別れた人、そんな人たちがが住み込みながら働き主要な戦力になってくれていました。

主人もそうですが、旅館で育った子たちは住み込みの人たちに将棋・花札・釣りなどで遊んでもらいながら、同じ釜の飯を食べともに寝起きしながら大きくなりました。もちろんウチの子どもたちもみっちゃんの作るまかないを食べて育ちました。

会社は寝食に困らない環境を用意し、社会保険をきちんとかけることで社会的弱者を防ぎ、しっかり稼いで女手一つで子どもを育て上げ、立派に家庭を築いた子どもは老いた親の世話をする、そうして双方がいい関係性のまま歴史を築いてきたのでした。

その頃のほうが確実に平和でしたし人情に溢れていましたよね。

みっちゃんも加太で生まれ加太で育ち、そして加太で生涯を終えました。慎ましく、毎日にこやかに一所懸命に与えられたことをしながら積み重ねた日々。大切な大切な愛するご主人と築いてきた(本当にお互いが寄り添い信頼の中で毎日がある、そんな仲睦まじい夫婦でした)小さなネットワークでの人生、そんな生き方は幸せそのものでした。

創業200年余、たくさんの方々が人生の数年をともに頑張ってくれて今があります。
今ごろ天国でOB会でもしてるかな?

本当にありがとうございました。どれだけ感謝しても足りないです。

みっちゃんのまかないは日本一でした!

どうぞゆっくりとやすんでください。